水の空中庭園「井頭公園 一万人プール」
立体都市を連想させる名空間
その規模と交通の利便性から、栃木県真岡市外の利用者も多い「井頭公園一万人プール」。
日本一長いと言われるウォータースライダーや「(まんプー)一万人プール」という語呂も相まって、かなりの知名度があります。
プールという遊興施設としてももちろんですが、実はその空間演出にも建築的に素晴らしいものがあります。
スライダーと滑り台の横にある、塔からその下の平地に続くまでの上下に入り組む「立体空間」も、あまり語られることはありませんが、その大きな特徴のひとつだといえます。
直線的な立体空間とスライダーの曲線とのコントラスト
斜面の敷地に建設されているプールというのは、なかなかに面白い景観を作り出しています。
坂倉建築研究所によって設計されたプールは、斜面を効果的に活用し、ほぼ全体を上下差ある遊べる空間に仕立てています。
その計画の妙は写真を見てわかるように、場所によっては極めて非日常な景観を味わうことができ、気持ちの良い迷子感を与てくれます。
まるで異国の裏通りのような複雑な動線が、水色に塗られたコンクリートで形成され、その床部のいたるところに張られた水は雲と空を映し込む。
そして徹底的に排された曲線。真夏には心地よいであろう冷淡さと氷山のようなダイナミックさが感じられます。
2011年の震災以降、営業が一部のエリアのみとなっているのがとても残念。
早く復帰できるように願っています。
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■井頭公園 一万人プール
■設計:坂倉建築研究所
■所在地:栃木県真岡市下籠谷99
■ホームページ:http://www.park-tochigi.com/pool/01pool/